官庁は灼熱地獄。

naojiro-naoe2008-06-16


ちょっと秋葉原通り魔事件の関係でへとへとになってしまったので、少し関係ない話題を書きます。お耳汚しですが、しばらくお付き合いください。

 今日は室温が29度に達したので、クーラーを動かしてみました。直江の場合、27度を超えると作業効率がかなり下がります。自分にとっては適温は25度前後のようです。(Tシャツ、短パン着用の場合。)
 ですのでクーラーの設定温度は24度にしています。エコ関係の方でけしからん奴だとお怒りの方もいらっしゃるでしょうが、チームマイナス6%という謎の組織からは自主的に退団しています。どうもエコとかロハスとかには体質があわないようです。

神戸女子大の平田耕造教授(被服環境生理学)によると、平均的体形の人が快適な気温は、裸でじっとしている場合で30度前後だ。この時の皮膚温度は33度で、人体は体温を下げるための汗をかかず、体温を上げる代謝の増加もない。代謝が増え始める温度は26〜28度。裸なら28度はまずまずの快適温度だ。

労働安全衛生法の関連規則によって事務室の温度は17℃〜28℃とされていていて(詳しくは「なぜ冷房の温度設定は28度推奨なのか(http://sasapanda.net/archives/1147)」を参照してください。)、このためクールビズを掲げている政府の夏場の推奨温度は28℃であるわけですが、この温度がヒトにとっては決して快適な温度ではないという話題です。

生物学的には裸でいた場合体表温度が33℃であり、室温30℃くらいが暑くも寒くもない温度だと云うことです。 それだと28℃は快適そうですが、まさか裸というわけにはいかないですね。 現実的に半袖・ズボン・靴下となるとこの快適な温度は22〜23℃にまで下がり、作業すると28℃では暑いと感じるのに十分な温度だと云えそうです。

また、実験による観察では、28℃、湿度50%の環境ではネクタイの有無に拘わらず、暑くて不快だという結果が出ているようです。 ネクタイをしないのがクールビズの王道みたいになっていて、ネクタイ業界も困っているようですが、あんまり外すことに効果は期待できないようですね。

という「クールビズの推奨温度は28℃、生物学的には適正温度じゃない。」(Orbium -そらのたま-)エントリーによれば私の体も心も、生物学的にはおかしくないようです。

そんなクールビズが適用されている職場の温度変化を、私の勤めていた官庁をモデルに綴ってみます。

 午前8時、約25度。宿泊組や早出組はもう出勤してPCをつけている。徐々に熱源(人、電気器具)が増え始める。

 午前9時、約28度。一般職員は概ねそろい始める。エアコンが動きはじめるのは9時15分からなので、職員は各自の机に自費でとりつけた小型扇風機を回す。職員数30人の課なら28台くらい回る。

 午前11時、約29〜30度。 温度センサーはエアコンの吹き出し口近くにあるのが常なので、職員の机だと若干設定温度より高くなる。冷気が自分の方に来るように、(冷え性の人は来ないように)あるいは温度センサーに当たらないように、ダンボールなどで風除けや覆いをエアコン吹き出し口の近くに作っている人もいる。また送風停止がすぐにわかるように、ビニール紐を吹き出し口からたらしている人もいる。

 午後1時、約30度〜32度。 光化学スモッグ注意報が発令されると、電算機室、応接などの他は全館の冷房が止まる。この場合止めた途端に気温が上がり始め、40度近くまで上がる。人によっては冷房のある部屋や設備に移動する人も。かつてサーバールームは大人気だったが、機密保護のため入れなくなった。

 午後2時、約32度〜34度。 外気温は一番高い時間帯。光化学スモッグ注意報が発令されている日は、40度を超すことも。管理職の方がアイスなどを差し入れてくれて喜ばれるのもこの時間帯。

 午後4時、約33度〜36度。 新しい庁舎は断熱性、蓄熱性がよく、外気温が下がり始めても温度は上がり続ける。(そのぶん冬は暖かい)窓は書類が舞い上がるため執務時間中に開けられることはほとんどない。

 午後6時、約32度〜34度。 夕立が降れば室温は28〜29度まで下がるが、その後に湿気地獄が訪れる。

 午後7時、約29度〜32度。 日没。執務時間外になって、Tシャツやジャージに着替える人も出る。体感温度は若干下がるので、仕事がはかどり始める。

 午後9時、約27度〜30度。 外気温は下がるものの、エアコンも止まるので、あまり室温は下がらない。

 午後11時、約26度〜28度。 タクシー券は滅多に出ないので、出来れば終電までには帰りたい。終電までに帰れない場合、就寝前に水シャワーを浴びて、Tシャツとジャージの下で就寝。ベッドは並べた椅子か、来客用のソファ。

 実際のところ室温40度を超える日はそんなに珍しくありませんでした。2、3日に1回くらいありましたね。そんな中、繊維業界を担当している職員はクールビズを謳われているにもかかわらずネクタイを着用せざるを得なかったりしたわけですが、見た目にも少しかわいそうでした。

 そうそう、大臣の執務室は冷房ついていたらしいですよ、行ったことないですが。

(写真は仮眠室。お世話になりました。)